古川裕倫の「いろどり徒然草」8月号

最大のジブンへの投資は読書
~世田谷ビジネス塾100回記念~

世田谷ビジネス塾(無料読書会、以下SBJ)の100回記念に「世田谷ビジネス塾みなかみ場所」という特別記念ツアーに20名が参加し、温泉、読書会、懇親会、ラフティングなどをエンジョイした(2017年7月1日、2日)。

SBJの経緯を少々説明させていただく。

私は54歳の時に自分ができる地域貢献活動としてSBJを始めた。新卒入社した商社を46歳で辞めた後、ホリプロに7年間、 IT会社のリンクステーションに1年間勤務していたが、次第に独立して研修や執筆などで雨露をしのぎながら、お世話になった社会にもささやかな恩返しをしたいと考えるようになった。

結果、月1回、自分の家の近所で無料の勉強会をすることにした。世田谷区駒沢に「陳屯酒(チントンシャン)」というお好み焼屋が(今でも)ある。その当時、日曜日は午後6時から営業していたが、馴染みの女性主人に頼んで、午後4時から2時間店の奥のテーブルを無料で使わせてもらうことにした。

6時からは、懇親会としてしっかりお店に貢献するという条件であった。したがって、SBJのオリジナルメンバーは、その店の常連であり、わかりやすく言うと酒呑み酔っ払い仲間であった。旅行代理店経営者、映像クリエーター、証券会社早期退職者と私。

どんな勉強会が良いか試行錯誤して、落ち着いたのが読書会。本を紹介したい人は自分の好きな書籍を紹介し、他の人は議論するだけでもいいし、聞いているだけでもいい。一応、ビジネスパーソンに役立つという観点から「ビジネス書、自己啓発書、歴史書(小説可)、伝記」というジャンルとした。

9年がかりで100回やってみてよくよくわかったのは、「読書力は知力や行動力の根源」であり、ビジネスパーソンとして最強の自己研鑽ツールであるということ。

以来、私が研修を依頼される場合は、その企業の課題に見合った課題書を取り入れて研修を行っている。お手盛りだが、書物から学ぶ意味をご理解いただき、ご好評をいただいている。

「アレセー、コレセー」と言っても、人は動かない。馬を水飲み場まで連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない。自分がその気になって自らを高める必要性を自分が「気付いて」初めて成長するモードに入る。一般の研修でヒントをもらった直後は意識が高いが、日が経つにつれ意識が薄れてくるというのは、自分がその気になっていないからだ。前向きに学ぼうとするギアを入れるのは、自分でないとできない。そして、自ら学ぶというギアを入れる一番のツールが読書である。

自分の仮説であるが、「名経営者には、読書家が多い」というのは、多くのヒアリングをした結果、疑う余地がほとんどない真実である。

「自分を高める」には、3つあると私思っていて、「学びの3か条」と(勝手に)呼んでいる。
1、仕事から学ぶ
2、人から学ぶ
3、書物から学ぶ

SBJでは、本からの学びを参加者にシェアしている。読書ほど安くて投資価値の高いものはないとつくづく思う。

先に述べたように、お好み焼屋からスタートしたが、その後、地元駒澤大学のご協力を得て、現在では「駒澤大学大学会館246」という立派な施設をお借りしている。

年間11回(同大学施設は8月がまるまるお休み)基本第3土曜日に行っている。無料・誰でも参加可能。繰り返しだが、本を紹介するもよし、議論に加わるのもよし、聞いているだけもよし。特に参加のルールはない(恐れ多いが、松下村塾を見習って、あえてルールを設けていない)。

もう少し具体的に言うと、今SBJはこうなっている。

第1部(立志会と呼んでいる)13時半~ 参加者が課題書を読んできて議論
第2部(読書会と呼んでいる)16時~ 課題書なし、書籍紹介・議論

その後は、大切にしている懇親会(ワリカン)@陳屯酒。余計なことながら、若手には飲み会のマナーもしっかり伝授している。

ところで、100回はいい区切りなので、この度塾長を交代してもらった。どんな組織もイノベーションを継続していかなければならず、新しいリーダーが必要と判断した。

世田谷ビジネス塾の姉妹塾に、「堂島読書会」がある。大阪版SBJ。2ヶ月に一度(不定期、平日夜)。私が引き続き塾長を務め、在阪のSBJ元メンバーに幹事をしていただいている。熱い議論があり、極めて志や学び心が高い(といって決して堅苦しくはない)。当然、懇親会も盛り上がる。

どちらも決して敷居は高くないので、老若男女にご参加いただきたい。小さな勇気を持って「自ら一歩前に出ること」で、いい仲間たちと学びをシェアしたく、お気軽にコンタクトいただきたい。お手すきの時にネットやFBで検索していただきたい。

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