古川裕倫の「いろどり徒然草」6月号

竜馬に学ぶビジネスの要諦(その3)ー人間的な魅力にあふれていた竜馬ー

今日は「竜馬に学ぶビジネスの要諦(第3回)」ですが、とても嬉しいことがありましたので、冒頭でご紹介させてください。

私ども一般社団法人彩志義塾は、「立志塾」というオープンセミナーを行っており、管理職や幹部を目指す女性を応援しています。月1回、半年ワンクールで、現在9期生が学んでいます。

その第8期生から嬉しい報告がありましたので、ご紹介します。

「最近嬉しいことがありましたので、ご報告させてください。なんと、マネージャー(管理職)昇格の推薦をしてもらえました!認定試験に合格する必要があるので、まだ昇格が決まったわけではないのですが、お話をいただいた時に、「受けます!」と言えました。立志塾に入る前の私だったら、明確な理由もなく断っていたと思います。推薦されたことももちろん嬉しいのですが、自分が変わったことがとても嬉しいです。良い報告ができるよう、試験対策をしっかりしていきたいと思いますが、何度落ちても挑戦しよう、という気持ちです」
 
冒頭から寄り道してしまいましたが、さて竜馬。このシリーズの第1回と第2回では竜馬の志の大きさを取り上げたが、今回は竜馬のリーダーシップについて。

リーダーシップとは、一言で言うと、人を動かす能力のことである。

古今東西、歴史はその時代に活躍した人物抜きには語れない。偉大なる人物が多くの人を動かしたから政治や経済が変化してきたのだ。つまり、歴史上の人物は、それなりのリーダーシップを備えていたと言える。従って、リーダーシップを学びたければ、歴史を学ぶことが大切である。本連載の目的の一つでもある。

● 左脳型と右脳型のリーダーシップ

私は、リーダーシップを左脳的なものと右脳的なものに分けて考えるとわかりやすいと思っている。

左脳リーダーシップとは、業務遂行のためのスキル。例えば、業界知識や遂行能力(分析力、理解能力、説明能力、判断力、決断力など)である。
 
右脳リーダーシップとは、一言でいうと人間力。例えば、笑顔、さわやかさ、懐の深さ、人としてのおもしろさなど、人間が他人を惹きつける人間的魅力である。

両方のすべてを持ち合わせているのが理想だが、そんな超人はいない。完璧を目指して精進しても、なかなかたどり着けない。誰しも得意不得意を持ち合わせており、生活や仕事をしながらそれを改善してくしかない。

自分が左脳型か右脳型のリーダーシップのどちらを持ち合わせているのかをまず考えてみていただきたい。

そして、自分の得意でない方の能力を少しでも高めることが、総合的なリーダーシップを高めることになる。

● 竜馬は右脳型リーダーシップだった

土佐勤皇党のリーダーであり、尊皇攘夷思想で倒幕を一気に目指す武市半平太は、今で言うストイックな性格であった。結果、徳川家との長い関係を持つ土佐領主山内容堂から切腹を命じられる。

竜馬は、半平太とは幼馴染であり、当初は土佐勤皇党に属したものの、その急進性を受け入れることはできなかった。むしろ竜馬は、武力で列強諸国に立ち向かうのではなく、自国の海軍力を高めることや交易を行って国力をつけることが重要だと主張した。

武市半平太は、竜馬をこう評している。「豊臣秀吉も徳川家康も、だまっていてもどこか愛嬌のある男だった。明智光秀は知謀こそそのふたりよりすぐれていたかもしれないが、人に慕い寄られる愛嬌がなかった。英雄とはそうしたものだ。たとえ悪事を働いても、それがかえって愛嬌に受けとられ、ますます人気のたつものだ。竜馬にはそういうところがある」(司馬遼太郎@「竜馬がゆく」一巻88頁)

つまり、竜馬は、右脳型リーダーシップが高いと言っているのである。

● 事を成すのは、弁舌や才智ではなく、人間の魅力だ

長州の桂小五郎は、竜馬に対して次のように語っている。

「事をなすのは、その人間の弁舌や才智ではない。人間の魅力なのだ。私にはそれがとぼしい。しかしあなたにはそれがある、と私はみた。人どころか、山でさえ、あなたの一声で動きそうな思いがする」(一巻218頁)

大事を成すには、人を動かす能力、つまり人間力がないといけない。竜馬にはそれが備わっている、と。「山でさえ、あなたの一声で動きそうな思いがする」とは、たいそうな惚れ込みようではないか。

● 会社の人事評価は左脳的能力に偏りすぎていないか

現実に戻って会社や組織の評価を考えてみたい。

会社によって様々な人事評価制度があるが、その個別項目を見るとほとんどがスキル、すなわち私のいう左脳的能力の評価が中心である。

残念ながら、「笑顔がよい」「さわやか」「人間的におもしろい」「竹を割ったような性格」などの右脳的能力の評価項目があるという会社は聞いたことがない。

しかし、部下が本当についていきたいリーダーとは、どちらであろうか。

確かに、スキルは業務遂行に当たって必要である。が、業務遂行能力の高い上司と人間力の高い人では、間違いなく部下は後者を慕う。この人のためなら何でもやろうと思うので、モチベーションが上がるのも後者だ。

リーダーの仕事は、目標を明確にして組織の成果を出すことだ。すなわち、右脳型リーダーシップも高めて、本当に人が動く組織とすることである。


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