古川ひろのりの女性活躍推進~部下育成と子育て~

【部下育成と子育て】

今日は、仕事から学んだことの多くが家庭で活用できるというご紹介です。

会社には方針や計画がありますが、これを家庭でもやることです。

結婚をすることや子供を持つことは、義務ではありませんが、
できた子供を育てるのは法律的な義務となります。

子育ての労力そのものをどうするかも大切ですが、
どのような子供に育てたいか(会社のように)方針を立てることです。
方針を立てたら、ぶれることなく実行することです。

例えば、「嘘をつかない子供に育てる」という方針であれば、
そう言い聞かせながら、親も子供に対して正直でありつづけることが大切です。

私の場合は、「早く独立できる人とする」という方針を立てました。
福沢諭吉先生の「個人の独立なくして、国家の独立なし」「独立自尊」とい教えがヒントでした。

なんどか悩んだこともありましたが、その方針を貫くことで判断が容易にできました。

例えば、自分の娘が帰国子女枠に恵まれたからこそなのですが、中高一貫の女子校と、
大学もついている女子中学校の2つに受かりました。
かたや大学受験をしなければいけないが、もう一方はそれが不要。

当初は、大学受験がないのは助かるとの娘と妻の意見でした。
しかし、「早く独立できる人とする」という方針はなんども家族で共有していたので、
この観点から大学受験を回避するのが独立につながるのか、それとも受験をする方が独立につながるのかを議論しました。

結果、後者を採りました。当初この学校の勉強についていけなかったこともあり、
しばらくはその判断に対する小言や弱音を聞くこととなりました。

その後、大学受験というヤマをなんとか乗り越えることができ、
就職したとたんに自宅を出て一人でアパート暮らしを始めました。

なんとか「独立」にこぎ着けたのです。
方針を決め、ぶれなくそれを実行することは、まさに仕事から学んだことです。

他にもたくさん会社のことを活用しました。
私は、普段から自宅への帰りが遅く、昔型サラリーマンの典型でした。

私は子供と向かい合う時間がほとんどないので、月に一度は家族で食事をすることにしました。
普段彼らが行っているより、ちょっと高級なところを選びました。

家では、テレビがあり、子供の部屋に戻られても話ができない。ちょっと高級なところに行くことには抵抗がない。

そして、30分だけ子供たちに自分から話をしたのです。
彼らも30分辛抱すればおいしいものが食べられるということだったのでしょう。

話したのは、会社で学んだことばかりです。
「ホウレンソウとはなにか」「計画とはなにか」「なぜ遅刻がいけないのか」「口約束を守れ」などです。

話を戻しますと、部下を教育することに精通すれば、子供の教育も簡単です。
率先垂範しないと部下も子供もついてこないのも同じ。コミュニケーションが必要なのもまったく同じです。

仕事だけではなく、幸せな人生を送るべく、
仕事を通して学んだことを大いに活用して家庭生活も充実させてください。

私の会社の先輩のお子さんたちが、挨拶もよく、スポーツもでき、
学校の成績もすばらしく、近所でも評判になっていました。

その先輩にばったり出くわした時に「子育ては難しいですよね」と私が聞いたら、
「何をいっているのか。20数年家庭や環境の違うところで育った新入社員より、
ゼロ歳から一緒に住んでいる人間を育てる方が易しいに決まっているだろう」と言われました。

部下を育てることができれば、子育てはもっと易しいものかも知れません。

部下も育てながら、家庭でもそれをぜひ生かしていただきたいと思います。
男性が協力すべき家庭の仕事の一つかと思います。

(注)これは、拙著『コーチング以前の上司の常識「教え方」の教科書」(古川裕倫、すばる舎)から加筆・転載したものです。