古川裕倫の「いろどり徒然草」12月号

今年最も嬉しかったこと
~みちのく立志塾誕生~

今月も引き続き、小学生の作文のようなタイトルである。

先月号の「いろどり徒然草」では、一般社団法人彩志義塾が運営する女性活躍推
進のオープンセミナー「立志塾」の第4期生が、東証一部上場会社の取締役に就
任し、私(古川)の過去30年で最も嬉しかったこととして紹介させていただいた。

来年4月から盛岡で「みちのく立志塾」がスタートする。盛岡を拠点とする人材
育成のaiビジネス代表の中村夢美子さんが発起人であり、私もお手伝いさせてい
ただいている。

なぜ、女性活躍推進なのか。

1、明治当初からたった140年で、人口が3千万人から1億2千万人の4倍に急
増したが、今後は少子高齢化で働き手が減少していく。急増から急減に変わるの
に、同じ仕組みでいいのか。よって、自由な働き方(副業OKを含む)、女性活躍
推進、定年制度廃止を提言してきたが、その一環である。

2、過去男性が働き手の中心であったが、いわゆるダイバーシティとして、外国
人、女性、高齢者、しょうがい者の活用が叫ばれているが、国際化の進んでいな
い日本企業での外国人登用は易しくはない。

3、「女性は結婚などで辞めることがあるから、男性がいい」と古い体質の企業
は言うが、今は、男性も転職が増え、過去のようにずっと会社にいるわけではな
い。女性も「腰掛け」ではなく、一生のキャリアとして仕事に取り組む時代となった。

4、GAFAに代表されるグローバル企業は、ダイバーシティを踏まえて、文化・
思想が違う人材を理念経営で束ねて生産性の高い働き方をしている。男性志向
の日本企業では、グローバル企業に勝てない。 

5、「ダイバーシティ経営をやっていますよ、それなりに」と言う日本企業が多
いが、どこまで本気であるのか。古い言葉となってしまったが、「本音と建前」
のギャップをそろそろ真面目に考える必要がある。「2020年に女性管理職比
率を20%にする」と言う女性活躍推進の国家的目標は、どこに行ってしまったのか。

「みちのく立志塾」は、4回(4ヶ月)がワンクール。目的は、管理職や幹部を
目指す女性の育成。参加者は、毎月の課題書について発表し、毎回プレゼンを行
い、経営に関する講義を受け、実社会で活躍している女性ロールモデルから学ぶ。

確かに、女性の側にも課題はある。男性にはないとは言わないが、
「コンフォートゾーン」から脱却しようとしないことが最も大きな課題である。
今までやってきた仕事で満足して居心地がいい、新しい仕事に挑戦したくない、
昇進もしたくない。ここを立志塾で徹底的に議論して、気づきを得る。

他社・異業種の人間とセミナーを共にすることにより、「自己開示」をして
相手との距離を縮める。職場でも、同じことをすればいい。本音ではなく
「よそいき」の格好をしている人がどれだけ多いことか(私もそうでした)。
男性から聞けば、セクハラかも知れないが、女性側から自己開示をすればいい。
自分の失敗・弱点や課題を言っておけばいい。

男性管理職に、自分の部下の男性と部下の女性にどれだけモノが言えているか
と尋ねると、圧倒的に女性部下にモノが言えていない。これで日本の将来は
大丈夫かと思うことがある。東京立志塾に登壇いただいている女性ロールモデルが、こう言っている。

「男性もそうだが、女性も人生で自分の経済的基盤を持つことである」。

人に頼るだけではなく、福沢諭吉が言うように「独立自尊」の精神を持って、自分の未来を自分の手で切り開いていただきたい。


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