ビジネスパーソンの幸福論
先々月・先月に引き続き坂本龍馬はお休みさせていただきます。
「人は自分の不幸には敏感であり、幸福には鈍感である」
と私(古川)は思っています。
口内炎があると、早く治って欲しいと誰でも思います。
気になって、自分の下でちょっと触ってみて、やはり痛いと感じ、
大変不愉快な思いをします。
口内炎が治れば、いかに幸せであるかと思い、
この不幸な状態から脱したい、そして幸せを感じたいと思います。
しかし、口内炎が治ったとき、
「ああ、口内炎が治って幸せだ」
と感じているでしょうか。
自分にとって嫌なことがあればそれを不幸と思い、
それがなくなれば幸福になれると思っているくせに、
実際に嫌なことがなくなると幸せを感じない。
人生で「不幸」であるときと「幸せを感じない」ときばかりであれば、
いつ幸せを感じるのでしょう。
本書の目的は、いかに幸福に働くかについて解説することです。
それは、人生で、働く時間が大変長いからです。大学を22、23歳で卒業した
として、65歳ぐらいまで、最低40年間も職場で働くことになります。
これからは50年も働く人も出てくるでしょう。
そんな長い時間を職場で過ごすのなら、
ぜひ幸せに働いていただきたいと思います。
私は、人の一生の全部をかくのとおり幸福に過ごすべきなどと、
大それたことを述べるつもりもありませんし、
また、そう言える資格もありません。
私には、宗教だとか科学や恋愛だとかを書く能力もありません。
ただ、ビジネスの世界は、長く見てきました。
1、いい顔をして元気はつらつとして働く人、仕事の実力がある人、
仕事が好きな人、人を動かせる人など多くを見てきました。
これらの人の多くは幸福に働いていると思えます。
2、反対に、「つまらない」
「なんで俺がこんなことをしなければいけないんだ」
「俺の給料は安すぎる」と言うばかりで、結局いい仕事もせず、
実力も上げず、ズルズルと退職まで過ごす人も見てきました。
そういう人の多くは、自分は不幸であると言います。
3、また、能力があって理屈もわかっているが、行動に移せない人や自分から
一歩前に出ることのできない人も大勢います。
小さな失敗を恐れず一歩前に出れば、いい仕事ができて
会社も認めてくれるのに、自ら自分の道を閉ざしている人たちです。
多分、働く幸福を理解していない人たちです。
4、また、そんなことには何も気づかずに、
定年退職まで何も考えずに働く人もいます。
人はみな人生を自分の好きに送ればよいと言ってしまえばそれまでですが、
ビジネス書を手に取ってみる人であれば、
上記1でありたいと思われるでしょう。
働いてお金持ちになりたいという人がたくさんいます。
人生を楽しく過ごしたいと思う人もたくさんいるでしょう。
何か大きな目標を持って生きたいと思っている人もいるでしょう。
でも、目の前の仕事が忙しくて、なにをしてよいかわからない。
自分が時間に流されている。他人や周りのいろいろなことが気にかかる。
今こんな仕事をしていてよいのかと思っている人も数多いと思います。
自分の人生の目標に至っては、まだ思いもつかない。
お金持ちになるのも、人生を楽しむにも、
幸福と感じるにも必要なものがあります。
(「仕事を楽しめる人とは忙しいと言わない~ビジネスパーソンのための幸福論~」古川裕倫、
扶桑社「まえがき」から抜粋)
【お知らせ】
直近の古川裕倫の著書を紹介させていただきます。
・2019年8月「女性が職場でかしこくふるまう技術」
http://urx.blue/VuEa
・2019年9月「仕事を楽しめる人は忙しいとは言わない~ビジネスパーソンのための幸福論」
http://urx.blue/v8C0
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