古川裕倫の「いろどり徒然草」5月号

逆境こそ未来を考えるとき

コロナウィルス被害のお見舞い申し上げます。
ただ嘆いていても何も起きないので、逆境のときこそ成長があると
信じて、前向きにポストコロナに備えて今できることをやっておく
のはいかがでしょう。

幕末の吉田松陰は、
「順境は怠(なま)けやすく、逆境は励みやすい」と言っています。
「境の順なるは怠(おこた)り易(やす)く、境の逆なるは励み易し」
飛行機が離(着)陸するときは、後ろからの風ではなく、向かい風
がいい。大きな浮力を得れるから。

今日は、逆境に生きた主人公の本を紹介させていただきます。
『大地』(パール・バック、岩波文庫)
既に読まれた方や著者名をご存じの方が多いと思います。
パール・バックはピューリッツァー受賞者。「大地」は、宣教師の父
の赴任に伴い中国を経験した近代化一歩手前の中国を舞台に描いた人
間物語。「大地」「息子たち」「崩壊した家」の3部作が4冊の文庫に
収められている。

第1部「大地」は、貧困のどん底から苦労・努力の連続で這い上がって
くる主人公を描く。主人公の終焉に至るまでを一気に読め、前向きの生
き方を教えてくれる。主人公と著者にありがとうと言いたくなる。
続2部は、主人公の次世代の物語。親が欲するとおり子供が生きるとは
限らない。それぞれの思いや生き方がある。激動の時代を生きた人々の
熱き思いを感じる。これらは、人生観、グローバリゼーション、ダイバ
ーシティ、親子の価値観、時代の変化、変わらぬ人の心などを教示して
くれる。

パール・バックは1960年に日本を訪れており、「つなみ」という童話を
書いています。その画像がユーチューブで見られます。
こちら↓

ちなみに、逆境を克服する書籍として、「逆境を超えてゆく者へ」
(新渡戸稲造、実業之日本社)と「回復力」(畑村洋太郎、講談社現代新書)
もお勧めです。


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