古川裕倫の「いろどり徒然草」1月号

竜馬に学ぶビジネスの要諦(第7回)
~成長するための気づきと学び その1~

高い志を持った大きな器の人間がしっかり行動する――。これまでの6回の連載で取り上げた「志」「人間力」「行動力」の3要素がそろっていれば、ずいぶん魅力的な人間になるに違いない。竜馬はそんな人物だったと言えるだろう。

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竜馬に学ぶビジネスの要諦(第7回)
ー成長するための気づきと学び その1-
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●「気づき」を行動へ移すことで人間は伸びる

藩の殿様にお目通りのかなわぬ下級藩士であった竜馬は、幕臣勝海舟、薩摩藩西郷隆盛、長州藩桂小五郎、福井藩主松平春嶽らの要人に認められた。また土佐、江戸、京都、長崎など活躍したほとんどの土地で女性をも魅了した。京都近江屋で暗殺されて140年以上経った今でも、竜馬は小説やドラマ・映画の中でヒーローとして描かれ、私たちのずっと後の世代でも語り続けられるであろう。

そんな竜馬も神童だったわけではない。最初から国を動かすような立派なリーダーだったわけでもない。普通に生まれた人間がだんだん進歩し、成長していったのだ。

古今東西の優秀な企業トップにも、新入社員や駆け出しの時代があり、後に実力を伸ばし経験や知識などを蓄積してきた。部下を初めて持った若き日は、言うまでもなく、だれもが新米リーダーである。そこから器の大きなリーダーに成長するか、しないかの違いが生じる。

優秀だと言われる人は、自分を磨き高める必要性を人生のある時点で自覚する。それを私は「気づき」と呼んでいる。そして、「気づき」を行動へと移すことによって、車のギアをトップに入れたような状態になり、グンと成長し始めるのである。それはなだらかな右肩上がりの曲線ではなく、急激な上向きのカーブで伸びていくのだ。

「竜馬は子供のころ勉強嫌いだった」

司馬遼太郎さんは『竜馬がゆく』(文春文庫)の中で、竜馬の幼少時について、意外にも次のように書いている。

「城下でも阿呆あつかいでした(五巻367頁)」

竜馬は幼いころから勉強が不得意だったのだ。教育者に採点され、侮辱され、劣等感を植えつけられたと竜馬は思っていた。

ただ、人の話を聞いて柔軟に受け入れることができた。後年、勝海舟との出会いで海外事情の説明に大いに感化を受け、それをすぐに受け入れたのもそうした資質に恵まれていたからだ。好奇心が強かったのだろう。

不得手な学問のことはさておき、竜馬は剣術には長(た)けていて、江戸の千葉道場で修行し北辰一刀流の免許皆伝の腕前となった。そんな名誉を掲げて土佐に戻った竜馬に、兄権平は地元で道場を開いて落ち着くことを勧めた。

ところが、竜馬はそんな兄に対して自分の胸の内をこう語り、説得を試みている。

「わしや、学問をしようと思うちょるんでおじゃりますわい」
「が、がくもん?」これには、権平も爆笑した。
「学問は必要じゃとわかった。古今の書を読み、かつ西洋の書も読みたい。読んで、わしがこの手で、こんな腐った天下をなんとか動かしてくれようと思ちょります」
「天下を?この法螺坊主め」(二巻164頁)


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