古川裕倫の「いろどり徒然草」2020年4月号

「ビジネスパーソンの幸福論」(その1)

40年以上働くのだから、仕事を楽しんで、幸福に働きませんか。

ブツブツ文句を言いながらイヤイヤ働いている人もいますが、
仕事を楽しめる人の方がずっといい。
そう思って、本書「仕事を楽しめる人は『忙しい』とは言わない」
~ビジネスパーソンのための幸福論~(古川裕倫、扶桑社)
を書きました。 

国内外の多くの経営者が「知の巨人」と呼ばれるドラッカーを
敬愛してやみませんが、ドラッカーの興味は、仕事を通じて人
がどう幸福になるかということであり、マネジメントとは人を
幸せにする組織の運営方法であるとしています。

経営や経済についてのみならず、人間的で哲学的なことも語る
ドラッカーには私(古川)は親しみを感じます。

「寝床につくときに、翌朝起きることを楽しみにしている人間は、幸福である」
「学問的な言い方ではないが、仕事ができる組織は仕事を楽しんでいる」

ドラッカーは、仕事の成果を上げることが最も大切なことであり、
それはどんな普通の人でもできるとしています。特別の才能を最
初から兼ね備えている必要はなく、成果を上げるための考え方や
習慣を身につければいいと言います。「成功する人間に必要な生
まれつきの能力などありはしない。ただ、あなたが成し遂げたい
ことに必要な能力だけを身につければいいのだ」というアドバイ
スは、読書のモチベーションを高めます。

人は誰でも強みを持っていて、成果はそこから生まれる。強みを
見つけるには、自分のできないことではなく、できることに目を
向け集中すればいい。

そして強みを最大限に活かすには、1番大切なことに集中しなけ
ればいけない。やらないことを決めて、やるべきことの優先順位
を決めよ。リーダーも最大の仕事は、目的を明確にして成果を出
すこととしています。

やり方さえつかめば誰にでも成果が出せるという教えは「複雑な
ものは大抵うまくいかない」という簡単かつ基本的な考え方を示
すと共に、「すべての偉大な成功は、地道で面倒なことの積み重
ねの上に成り立っている」というような普遍的な考え方も伝えて
います。

失敗を恐れず物事に挑戦することの重要性については、こう言っ
ています。「優れた者ほど、間違いは多い。それだけ新しいこと
を試みるからである」「成果とは常に成功することではない。そ
こには間違いや失敗を許す余地がなければならない」

イノベーションの大切さについては、こうです。「組織は常に進
化していかなくてはならない。砂漠では教養など何の役にも立た
ない」

失敗を恐れず挑戦することを推奨するドラッカーは、組織を変え
ていこというビジネスパーソンの背中をグイと押してくれます。

自分を高める重要性についても触れています。「人間は、自らが
望む将来の大きさに合わせて成長する」と高い志を持つことを勧
め、「教養ある人間は、勉強し続けなければならないということ
を自覚している」と勉強の大切さも説いています。

そして企業の存続目的には、社会に貢献しないといけないとも主
張しています。「事業とは何かを問われると、たいていの企業人
は利益を得るための組織と答える。この答えは間違いだけではな
く、的外れである」「企業は社会や経済の許しがあって存在して
いるのであり、有効かつ生産的な仕事をしていると見なされてい
る限りにおいて存続を許されているに過ぎない」

「仕事を楽しめる人は『忙しい』とは言わない」では、ドラッカ
ー以外に、アラン、ラッセル、ベンジャミン・フランクリン、渋
沢栄一、福澤諭吉などの先人の幸福論もご紹介し、私が思う働き
方・生き方について書かセていただきました。


【お知らせ】

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2.女性幹部養成プログラム「立志塾」5月度無料見学会
一流ロールモデルと考える「自分らしいキャリア」と「マネジメント」

2020年5月の第13期立志塾開講にあたり、午後の部を無料でご見学いただけます。

[日時] 2020年5月9日(土)13:00~17:00
[会場] ウィン青山2階E(青山一丁目駅より徒歩1分)
[主催] 一般社団法人彩志義塾
[内容] 1.課題図書から考える、「働く」ということ
       「かもめになったペンギン(J・コッター)」
     2. エキスパートから学ぶ、組織運営の基礎知識
       「財務諸表」
     3. 会社役員・ロールモデルとの意見交換
       外資系金融機関役員

 ▼ご見学お申込み
  https://saishi.or.jp/201912192677.html
 
 ▼「立志塾」受講者の声
  https://saishi.or.jp/risshijuku-voice.html

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