立志塾第3期始まりました!

平成27年4月11日、赤坂にあるアクタスマネージメントサービス会議室において、

「女子社員のための立志塾」第3期の一回目を開催いたしました。

 

内容につきましては、金融&IT業界の情報ポータルサイト

GoodWayにて詳しく紹介していただいております。 以下のリンク先でご覧ください。

【彩志義塾】「女子社員のための立志塾」を開催

【投稿】古川ひろのりの女性活躍推進~男性がなぜ女性活躍推進を語るか~

【古川ひろのりの女性活躍推進】

~男性がなぜ女性活躍推進を語るか~

なぜこのようなオジサン(私、古川)がダイバーシティや女性活躍推進を語るのか、というそもそもの話しさせていただきたい。

講演や研修を実施するときに、一番多い聞かれる質問がこれ。「なぜ女性活躍推進をやっているのですか?」「なにがきっかけですか?」と言われるが、多分なぜ男性が(とかオッサンが)という意味が入っているのだろう。

一番簡単にいうと、最初に勤めた会社は、女性がほとんどルーティーンの仕事しかしておらず、輝いている人は少なかった。次に勤めた会社は、自ら仕事を作っていき、キラリと輝いている女性が多かった。職場や会社によって、こんなに女性の輝きが違うのかと思った次第。前者は大手商社であり、後者はエンターテイメント会社(自称エンターテイメント会社であるが、世間様は芸能プロダクションとしか呼んでくれていない)。

いろんな生き方があるので、女性が職場で輝くべきかは本人が決めるべき話しであり、私がどうこう申し上げる筋のものではない。

ただ、「少子高齢化による生産労働人口の激減」によって、日本が世界で戦えなくなってくることには危惧をしている。日本の会社にもがんばって欲しい。人口減少によって、国内市場は縮小していく、すなわち日本の国力も落ちてくる。

知り合いの中小企業の社長さんたちに、20年後30年後の自分の会社の業績予想を聞いてみると、「よくわからないないが、10-20%は伸びているだろう」「努力をして、ソレぐらいの数字は作らなければいけない」などと答えがある。グローバルにビジネスをしていけば全く話しは違うのだが、国内だけしかやっていない会社が、人口が40年後には30%も減って市場が縮小する中、自分だけが売上や利益が伸びるはずがない。グローバルなビジネス展開が求められる。

もう一つは、労働人口の減少に対応できないと日本は生き残れないということ。労働人口の確保には、次の4つがある(4つしかない)。

1、外国人の登用

2、 シニアの登用

3、 女性の登用

4、 障がい者の登用

「日本は今でも鎖国をしている」と外国人有識者からなんどか言われたことがある。移民の受け入れ、労働ビザ発給など、実質上はなかなか外国人を受け入れない。受け入れても言葉の問題もあり、なかなか進まないだろう。

シニアががんばるのも期待したい。ただ、私が言うのもナンではあるが、頭が柔らかくて、自分より年下の上司の言うことを抵抗なく受け入れる人がどれだけいるだろうか。

ということで、女性に脚光が当たるのは当たり前と思う。私は、日本が世界と渡り合えるように、労働力をしっかりと確保しなければいけないと思っている。また、優秀な女性が、出産・育児で職場から長期に離れたり、職場復帰しなかったりでは、たいへんもったいないと思う。会社制度の問題や、会社の文化の問題、(女性を含めた)個人の問題などあると思うが、解決できる課題も多い。

話をもとへ戻すと、会社は女性に職場でなにを期待するかをしっかりと考える必要がある。女性も男性も考えるべきである。過去のことは過去として、これからイノベーションが必要である。

なぜオッサンの私が言うか?オッサンも変わらないといけないから、である。女性をエンカレッジするために女性にも問いかける必要があるが、岩盤か粘土層になっているかもしれない私と同年代のオッサンも変わらなければいけない。そのようなことを講演や研修で申し上げることによって少しでも日本の女性活躍が進むことを願っている。

(つづく)

【投稿】古川ひろのりの女性活躍推進~日本の女性活躍推進に岩盤はないだろうか?~

【古川ひろのりの女性活躍推進】

~日本の女性活躍推進に岩盤はないだろうか?
 ヒラリー・クリントンはガラスの天井があったと言った〜

バラク・オバマと大統領選を戦い、破れたヒラリー・クリントンが「ガラスの天井(glass ceiling)があった」と発言したのは記憶に新しい。「女性だから」という高い障壁があったと、日本よりはるかに女性活躍が進んでいる米国人が訴えた。

では、日本に女性活躍推進を阻む岩盤はあるのだろうか。岩盤ではなく、粘度層という言い方がマイルドなのかも知れない。いずれにせよ、こういう形では議論がまだ広くされていないように思う。

結論としては、私は大いに「ある」と思う。柔らかいか硬いか、薄いか厚いかは、会社や組織によって違うだろうが。ただ、大切なことは、そのほとんどが、悪意によるものではなく、知識不足によることである。つまり、新聞では、Wのピンク色のマークをよく見かけるが、男性がほとんどを占める経営陣や中間管理職が、事情をよく知らないまま、過去から変化しないだけだと思う。

よく2通りの困った男性管理職(レベル)がいると聞く。まったく女性のことに気遣いしない男性と、女性にモノが言えない男性である。

前者は、少子高齢化という言葉は聞いてはいても、働き手が今後激減することを真剣に考えておらず、ダイバーシティでより多様な意見を取り入れることができるという基本的なことが分かっていない。

後者は、セクハラ・パワハラを恐れて、モノも言えずに腰が引けている。「褒めるのはいいが、叱るのはダメ」「文句も言わずにニコニコしているだけ」と大会社に勤める後輩が情けないことを言っていた。これが極端になれば、「女性社員など不要」となってしまいかねない。

経験の浅い女性としても、「だれも私を叱ってくれない」「だれも私のことを気にかけてくれない」「であれば、私がここにいる価値があるのだろうか」と悩んで会社を辞めてしまう。これでは、意味がない。教える事はしっかり教え、叱るべきは叱り、成長させなければいけない。会社も社員も成長を願っている。だから、教育し、結果を出せと(男性にも女性にも)言わなければいけない。

話しを戻して大企業での岩盤。直球で言うと「総論賛成、各論風まかせ」が多いのではないだろうか。「自分は反対ではないが、特段自分が会社を変えようとは思わない」「だれかいつか変えるのだろう」と思っている男性が多い。自ら興味を持って行動まではしない。

ダイバーシティ推進室などを人事部や経営企画室に作り、女性管理者を置き、女性向けのセミナーなどに取り組んでいる会社は、前向きで素晴らしいと思う。ただ、その次の段階が難しいのではないかと思う。「総論賛成、各論風まかせ」の岩盤にだれがどのように説明すれば、納得するのだろうか。顔はニコニコしていても気持は「風まかせ」であり、興味薄の人の方が多い。

手前味噌になるが、私はこのソリューションを提供してきており、ご評価をいただいている。これまで長く現場営業をしてきて、中間管理職の気持や考え方は痛いほど分かる。管理職やリーダーとして、シャアするところは大いに共感し、女性活躍についての答えを差し上げるからだろう。例えば、次のようなこと。

1、将来感謝される上司となれ(今嫌われても)
2、女性にも向かい合え、女性から逃げるな
3、女性にも成果を求める
4、女性にもルールや仕事場の決めごとはちゃんと言う
5、女性にも新しい仕事を振る
6、女性にも中長期視野を常に持たせる
7、女性にも数字管理の重要性を伝える

私は、女性活躍推進の書籍をこれまでに3冊書いており、最初のは、2009年の「女性が職場で損する理由」(古川裕倫、扶桑社新書)。安倍政権よりずっと前から取り組んでいる。ダイバーシティ・女性活躍推進に少しでも貢献できるよう発信もしたい。

「かっぱえびせん」のカルビー成長戦略

「かっぱえびせん」のカルビー成長戦略

〜カルビー株式会社松本晃会長ご講演から

2014年12月3日@コーポレートガバナンスネットワーク〜

 

誰もが忘れることができない悲劇の2011年3月11日。同日午前にカルビー株式会社は、東証1部上場を果たしたが、その午後、あの東日本大震災が起きた。あまり奇妙で不思議な話である。

関係者は、上場という門出を美酒で祝いたいところであろうが、それどころではなく、自らの工場や従業員の安否確認に奔走していたのだろう。なんという船出であろうか。

カルビーは、過去同族経営をしていたが、経営と資本の分離をするという大きな意思決定を行い、経営をプロに任せた経緯を持つ。元ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人の社長を経て、2009年からカルビーを経営してきた松本晃会長兼CEOの講演に出席した。

前のめりになる興味深いお話をたくさんうかがったが、その中でもダイバーシティについてのみ触れてみたい。

まずは、現在の役員構成。7人の取締役中、5人が社外取締役で、内2名が外国人、1名が女性。欧米では取締役は社外が中心とは聞いているが、実際社外取締役をこれだけの高いペーセンテージで登用している日本の会社はほとんどない。たいへん勇気溢れる経営だと感心してしまう。

 

昨今社外役員を置いている会社でも、普通は社内役員の総数が社外役員の総数を上回っている。つまり、社長と社内役員とがYES といえば、すべてが決まる仕組みであり、社外役員全員がNOといっても否決ができない。日本には、社長にNOと言えない役員が多いのではないか。社内が2名で、社外取締役が5名というのは、とてもガバナンスが効く環境であることは間違いない。

数ばかりではない。外国人2名、女性1名というダイバーシティが効いた役員構成でもある。

年齢差、性差、国籍などにかかわらず広く意見を取り入れ、多様性を活かした経営がダイバーシティである。カルビーの役員会においても、様々な角度からの意見が出され、広く議論されているのであろう。

さらに同社の16人の執行役員のうち4人が、女性である。その内の1人は、「時短」勤務であり、4時以降は会社にいないらしい。この女性は、2人の子供を育てるために「時短勤務」をしていたときに、部長に推挙され、本部長となり、執行役員となったそうだ。「時短」は、今でもそのまま。なんという勇気を持った会社であることか。

しかし、女性だから昇進させているのでは決してない。女性にも(男性にも)仕事の成果を求めている。相撲の世界で成績によって位が上下するのは当たり前であるように、仕事場も同じように考える。ある一定の期間に成果を上げることができなければ、一旦身をかがめて実力を蓄えて、また上がってくればいい。一旦職位が上がったを(成果によって)下げられない仕組みの方がおかしい。そういう松本会長の考え方である。ちなみに、ご自身には、厳しく、横綱で成績が残せなければ、引退しかないと名言されている。すばらしい。

 

さて、同社の業績であるが、上場以来、売上、利益、ROEとも上場以来ずっと右肩上がりである。イノベーションとコスト削減の2本柱であるが、理念経営がすばらしい。松本会長は、ジョンソン・エンド・ジョンソン時代のクレドについて、熱く語られていた。大事なのは、(1)顧客、(2)従業員、(3)社会貢献、(4)株主であり、この順番で、ものごとを考えなければならない、とのこと。クレドの英語版と日本語版を常に持ち歩かれているそうだ。

さきの取締役会の厳しいガバナンスを保持しながら、トップが現業を進めていくには、そうとうの自信と信念が必要だと思う。その自信と信念が先のクレドに立脚したものであると思った。それからぶれることがない、確固たる経営をされているのではないか。

西郷隆盛は、幕末の儒学者佐藤一斎の「言志四録」にある1133の言葉から101を書き抜いて、死ぬまで身につけていたという。信念、想い、哲学のどれと言えばいいのかよくわからないが、できる人にはそういうものが備わっている。それからぶれずに、行動している。松本会長も信念の人であり、とても気持よく講演を効かせていただいた。多謝。

 

「女性管理職増へ、中途採用広がる」(日経新聞から)

女性管理職が足りない。

12月13日(土)の日経新聞記事によると、ローソンや参天製薬は、今年度の中途入社採用の2割以上を女性が占める、と。
2020年までに女性管理職30%を目指す会社などの一部は、社内育成では間に合わないので、将来の女性管理職を途中入社で補おうとしている。。。

まだ、2020年までには今から5年もあるんです。家庭に入ってしまった女性も職場に戻ることを検討してみては、いかがでしょう。少しずつ、慣し運転から再スタートしてもいい。

管理職を目指していなかった女性も、考え直して、上を目指してみるのは、いかがでしょう。今からスキルアップに2、3年費やしても十分間に合うし、マネージメント能力を習得するべくそのアシストに手を挙げるのもよし。ブルーオーシャン間違いなし!!!