朝の5分を使って「在宅勤務」について考える

Q1.在宅勤務制度とは?

自宅などを拠点に仕事をすることができる勤務制度のこと。テレワーク(ITを活用した、時間と場所に捕らわれない自由な働き方)の一種。
日本では、東日本大震災を契機にBCP(事業継続計画)および節電対策の一環として注目され始めた。現在では、育児や介護を目的に在宅勤務制度を利用する企業が多い。利用者は主に女性である。
一方、テレワーク導入が進む欧米企業では、利用者の6割は男性であり、マネジメント職もしくはプロフェッショナル職が多い。在宅勤務制度は福利厚生の1つではなく、社員が最も効率的・創造的に働ける環境を整備することで、組織としてより高いパフォーマンスをあげるための戦略として活用されている。長時間の通勤に煩わされることなく、一人で集中できる環境で、能力を思う存分に発揮するための人事制度と言える。

Q2.在宅勤務制度のメリットは?

メリットとしては、下記のような例があげられる。

① 通勤時間の短縮などにより、有効に使える時間が増える
② 個々に適した環境で、集中して仕事に取り組むことができる
③ 仕事の効率が向上し、結果としてアフターファイブが充実するなどワークライフバランスが実現しやすくなる
⑤ 高齢者の継続勤務が可能になる
⑥ 就労に制限(育児・障がいなど)のある人の就職・勤務継続が可能になる

Q3. 在宅勤務制度を導入する際のポイントは?

在宅勤務制度導入で企業がぶつかる課題として、ハード面(情報セキュリティ等)に起因する課題と、ソフト面(コミュニケーション等)に起因する課題があげられるが、企業が制度導入を躊躇または挫折してしまう原因はソフト面にあることが多い。コミュニケーション不足による職場内不協和や、マネジメントの困難、在宅勤務者本人の自己管理能力不足による生産性の低下、孤立感などは特に、頭を抱えやすい問題である。

ソフト面での課題を低減するため、最低限留意したいポイントとして、例えば下記6点があげられる。

① 在宅勤務日とそのタスク内容を予め明確にしておく。
② 在宅勤務時の職場との連絡方法や連絡可能な時刻を明確にしておく。
③ 労働時間の長さではなく、「仕事の成果や貢献度」を評価するマネジメントスタイルを確立しておく。
④ 在宅勤務者の上司へは事前に十分な説明を行い理解を得ておく(在宅勤務者の評価が不当に下がるのを防ぐため)
⑤ 職場内の不公平感や軋轢を減らすため、在宅勤務を希望しない社員を含めた対象部署全員に説明会を実施する。
⑥ 在宅勤務者には、オフィスで働く以上に高い倫理観とチームワークが求められることの理解を得ておく。

Q4.在宅勤務の対象者を決める際の注意点は?

在宅勤務の申請受諾を判断する際、在宅勤務を希望する理由ではなく、「適性」に着目することが大切である。
在宅勤務に適性がある人の特徴としては、自律的である、コミュニケーション能力がある、思考や創造力を要する業務である、等があげられる。
自律的に動くことが困難な人や、新規の社員等、常にサポートが必要だったり信頼関係がまだ浅かったりする社員に対しては、制度適用は難易度が高いとされる。
在宅勤務は社員の権利ではなく、仕事のパフォーマンスが下がり改善がみられない場合は、通常のオフィス勤務に戻すことも検討する。万が一、在宅勤務申請を却下・中断する際は、その理由を明確に伝えることが大切である。「仕事がいつも遅れる」等の抽象的な表現は避け、「○月○日のプロジェクト報告レポートの提出が期限に間に合わなかった。現段階では在宅勤務を許可できない。」等、具体的な理由を示す。

(Q1~Q4参考:プレジデントオンライン)

Q5.今年の夏、新たに大規模な在宅勤務制度導入を決定した大手自動車メーカはどこ?

答えは、トヨタ自動車。社員の約3分の1である2万5000人程度を対象に、在宅勤務制度を8月に導入する。週1日、2時間だけ出社すれば、それ以外は自宅など社外で働くことができる。男性の育児や女性の活躍を後押し、親の介護による離職を防ぐことが目的である。対象となる職種は、人事・経理・営業・開発職などである。工場勤務である技術職は対象外とした。
軌道に乗れば、常時数百人希望の社員が新制度を活用するようになる可能性がある。実際の広がり具合をみながら、システムや既定の細かな改革を進める予定だ。

(Q5参考:日本経済新聞)

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渋澤健(シブサワ ケン)

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1961年日本の資本主義の父・渋沢栄一5代目子孫として生まれる。 1983年テキサス大学BS Chemical Engineering卒業 。1984年財団法人日本国際交流センター入社。1987年UCLA大学MBA経営大学院卒業ファースト・ボストン証券会社入社。1988年JPモルガン銀行(東京)入社。 1992年JPモルガン証券会社(東京)入社。1994年ゴールドマン・サックス証券会社入社。1996年ムーア・キャピタル・マネジメント入社。アジア時間帯トレーディング担当。1997年同社東京駐在員事務所設立。2001年シブサワ・アンド・カンパニー株式会社創業。2008年コモンズ投信株式会社創業。テレビ・雑誌・ラジオ・イベント・講演実績多数

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◇会場:一般社団法人彩志義塾 セミナールーム
◇住所:東京都千代田区内神田1-11-10 コハラビル306
◇講師:古川裕倫(代表理事)
◇参加費:無料
◇定員:9名
◇参加申込期限:2016/07/8(金) 18:00
◇申込後キャンセル期限:2016/07/12(火) 12:00
◇対象:経営者・経営幹部、人事担当者

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見学会

◇内容:現在開講中の第5期立志塾の講義を、実際に聴講・ご見学いただけます。
◇日時:7月9日(土)13:30~ ※入退室自由
◇場所:〒107-0052 東京都港区赤坂3-2-6 APA赤坂中央ビル7F 
    ※三菱東京UFJ銀行の入っているビルです。

◇入室:エレベータで7階まで上がっていただき、左手へお進みください。
    突き当り左側のお部屋がセミナールームとなりますので、ご自由にお入りください。

◇交通:赤坂見附駅(銀座線・丸の内線) A10番出口より徒歩1分
    赤坂駅(千代田線)より徒歩6分
    永田町駅(半蔵門線・南北線・有楽町線)より徒歩7分

◇タイムテーブル:
【午後の部】
13:30~14:30 議論:課題図書から考える、働くということ ―「この国を出よ」(大前研一・柳井正)
14:30~15:20 講義:志とキャリア戦略の重要性 ―グローバルに活躍する
15:20~15:30 ≪休憩≫
15:30~17:00 ラウンドテーブル ―御茶ノ水整形外科最高執行責任者 出口恭子様
17:00~18:15 ホームカミング
【夜の部】
18:30~21:00 懇親会
※懇親会参加希望の方は、見学会お申込み時に併せてその旨をご連絡ください。

◇服装:カジュアルで問題ございません。
◇持ち物:筆記用具
◇お申込み:件名に【立志塾見学会参加希望】と記入の上、右記宛先までご連絡ください。 一般社団法人彩志義塾事務局 info@saishi.or.jp

柳澤美由紀(ヤナギサワ ミユキ)

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ファイナンシャル・プランナー(CFP(R)/1級FP技能士)関西大学社会学部卒業。(株)関西リクルート人材センター(現・リクルートキャリア)等でコピーライターとして活動後、1996年FP資格(AFP)を取得。1997年にFP会社に転職して以降、ファイナンシャル・プランナーとして活動を続けている。1998年長男出産。2000年に独立する。長男が中学生になるまでは執筆とFP賞談を中心に活動を続けていたが、母が脳梗塞で倒れたことを機に、「介護保険」「育児・介護休業法」「成年後見制度」等を深く学ぶ。仕事と介護を両立させている人や介護現場で活躍する専門家の方々への取材をもとに企画した「仕事と介護の両立セミナー」が反響を呼ぶ。現在、大手企業の労働組合や地方自治体等で講演を行っている。FP賞談件数は800件以上。「家計の見える化」と「資産形成の仕組みづくり」の提案が得意。現在は、FP相談サイト「家計の窓口」でコンサルティング業務に従事している。(株)家計アイデア工房 代表取締役/(株)FPフローリスト取締役/日本FP協会評議員

介護と家庭と仕事のバランス講座

対象 40代、50代の女性社員および管理職
目的 企業の介護制度の理解および介護保険の活用ノウハウの習得
特徴 働きながら介護を続けている方々や介護職につく実務家の方々への取材をもとにした実践的な研修です。
概要 介護による家計への影響を抑えるには社会資源を活用しながら働き続けることが不可欠です。「仕事と介護、どっちをとる?」ではなくて、介護を生活の一部に取り入れながら企業で働き続けている実例を紹介しながら、家計の専門家であるファイナンシャル・プランナーがナビゲートします。介護保険テストなど、簡易ワークを多数取り入れた実践的な研修です(2時間)。

女性のためのキャリアプランとマネープラン

対象 20代~30代の女性社員
目的 女性が長く働き続けるための「意識改革」と「経済的自立を支える知識」の習得
特徴 経済的側面からキャリアを考える女性社員のための研修です。結婚や出産、介護に負けないキャリア
概要 本研修では
(1)働く理由を経済的な視点で見える化すること
(2)自分の強みを再確認してキャリアアップにつなげる道筋を見つけること
以上2点に注力した構成になっています。
 
ライフプランの作成や強み発見ワークなどにより、結婚、出産、介護などのイベントに直面したとき、どのようにキャリアアップしていくかを考えていきます。仕事との両立が困難に思える状況になったときに「離職する」と安易に考えるのではなく、長く会社で活躍するために、いま、何をするべきかの発想を引き出す研修です。ワークとグループシェアを交互に取り入れたロングバージョン(5時間)と、ワーク中心のショートバージョン(3時間)があります。