古川裕倫の「いろどり徒然草」2月号

竜馬に学ぶビジネスの要諦(第8回)
~成長するための気づきと学び その2~

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竜馬に学ぶビジネスの要諦(第8回)
~成長するための気づきと学び その2~
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●人を説得するにはそりなりの知識や教養がいる

江戸で勝海舟に学び、多くの人から影響を受けて、次第に学問の必要性を感じるようになった。特に人を説得するときは、学問の大切さを語らなければならないと考えた。自分が理解するには、聞く耳と柔軟な頭脳があればよいが、人を説得するにはそれなりの知識や教養がいる。

ましてや天下を動かそうなどという大きな浪漫(ロマン)を持っているのなら、要人を動かすのに高い説得力が必要となる。そのことに竜馬は気づいたのだ。

勝海舟の建言によって幕府が造った海軍士官養成機関である神戸操練所。そこにいたころの竜馬は猛烈に勉強した。

「神戸塾にきてからは、暇さえあれば御本をお読みになっているご様子でした」(五巻335頁)

竜馬は、直接だれかに言われたわけでもなく、自分で学問の必要性に気づいたのである。そして、それを行動に移し、本を読みまくった。多くの人の意見にも耳を傾けたことであろう。自分自身を磨き高める必要性に気がついたのだ。

私(古川)は、この気づきが人間の成長に非常に大切だと私は思っている。もちろん仕事の上でも同じである。

「自分が成長するための三つの「気づき」」

 私は講演や研修を通じて若手には次に挙げる「気づき」を勧めている。また、経営者やリーダーには自分の部下にそれらの「気づき」を与えるように話をしている。

・まず、自分を磨き高めること。
・そして、組織に貢献すること。
・そうすれば、必ず自分に結果が戻ってくる。

滅私奉公せよと言っているのでは決してない。自分を磨き高めて、組織に貢献すると、自然と自分に返ってくる。つまり、給料やボーナスが上がり、昇進もして、もっと大きな仕事がついてくる。

この点に気づくと人は一気に成長する。だれのために働いているかよく分からないようでは働く意欲がわかない。「会社のために働け」「上司の言う通りに働け」と言っても、社員のモチベーションは上がるはずがない。そうではなく、会社に貢献しながら、その結果、自分のためになると心得ていれば、だれしもやる気が出てくる。

では、どうやって自分を磨き高めるか? 答えは三つ。

・仕事から学ぶ。
・人から学ぶ。
・書物から学ぶ。

この詳細は、次回に譲りたい。 

繰り返しであるが、自分を磨き高めて、組織に貢献して、自分に返ってくる喜びを感じ、また自分を磨き高めるという正のスパイラルを作り上げていただきたい。

天下を動かしたいという大きな浪漫を持っていた竜馬は、自分を磨き高める必要性に気づいていたに違いない。


【お知らせ】

1.″自己満足″で終わらせない!
Employer brandingの視点で考える、これからのダイバーシティ推進
~社内も社外も味方につける、「働きやすい職場作り」の魅せ方と採用戦略~
「第6回 女性活躍推進企業情報交換会」

[日時] 2019年2月26日(火)15:00~17:00
[会場] ウィン青山2階E(青山一丁目駅より徒歩1分)
[主催] 一般社団法人彩志義塾
[内容] 14:30 開場
     15:00 株式会社Clarity古谷聡美代表取締役CEO 講演
     16:00 質疑応答
     16:30 参加者交流会
     17:00 終了 

 ▼詳細・お申込み
  https://saishi.or.jp/201901252365.html

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2.女性幹部養成プログラム「立志塾」2月度無料見学会
一流ロールモデルと考える「自分らしいキャリア」と「マネジメント」

2019年4月の第11期立志塾開講にあたり、午後の部を無料でご見学いただけます。

[日時] 2019年2月9日(土)13:00 ~ 17:00(受付12:45~)
[会場] ウィン青山2階E(「青山一丁目」駅5番出口より徒歩1分)
[主催] 一般社団法人彩志義塾
[内容] 1.課題図書から考える、「働く」ということ
       「経営哲学」
     2. エキスパートから学ぶ、組織運営の基礎知識
       「役員・取締役・取締役会」
     3. 会社役員・ロールモデルとの意見交換
       株式会社日立ソリューションズ 常務執行役員
       富永由加里氏

 ▼ご見学お申込み
  https://saishi.or.jp/201901152305.html
 
 ▼「立志塾」受講者の声
  https://saishi.or.jp/risshijuku-voice.html

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※第11期(2019年4月開講)立志塾の申込み受付を開始しました。
  
 ▼第11期の詳細・お申し込はコチラ
  https://saishi.or.jp/apply.html
    (〆切:2月28日(木)まで)

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『”自己満足”で終わらせない! Employer brandingの視点で考える、これからのダイバーシティ推進』

第6回女性活躍推進企業情報交換会

『”自己満足”で終わらせない!
Employer brandingの視点で考える、これからのダイバーシティ推進』
~社内も社外も味方につける、「働きやすい職場作り」の魅せ方と採用戦略~

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        日時  2019年2月26日(火)15:00~17:00
        場所  ウィン青山2階E(青山一丁目駅より徒歩1分)
        主催  一般社団法人彩志義塾
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掲題会では、外資系広告代理店出身・現在は起業家として働き方で企業を探せるポータルサイト「Clarity」を運営する古谷聡美氏(株式会社Clarity 代表取締役CEO)にご登壇いただき、Employer brandingの観点から、ダイバーシティ推進を採用戦略や企業成長に活かす方法についてお話いただきます。

Employer brandingとは、雇用主としてのイメージ作りのこと。社員はもちろん、求職者やクライアント等、「社内外の人から」「雇用主として」どう思われているか?に重点を置き、「ぜひ働きたいと思う、素晴らしい会社」としての認知度アップを狙います。

ダイバーシティ推進に取組む意義を、きちんと社内で納得してもらうには?
これまでたくさんの施策を行ってきたけれど、その成果をどう発信するのが効果的か?
優秀な人材を採用をするために必要な、職場作りのステップとは?
CSRという枠組みを越えて、ダイバーシティを企業の成長戦略としてより有意義に推し進めていくには?

Amazon、MasterCard、StarBucks、etc…

各社先進事例を交えながら、Employer brandingを踏まえたダイバーシティ推進の活動設計について、ブランディング・PRの切り口から一緒に考えていきます。

※「立志塾」にご賛同・派遣いただいている皆様におかれましては、日ごろの感謝を込め、本会参加費は無料とさせていただきます。
※一般参加をご希望の場合は、恐れ入りますが参加費5,000円を頂戴いたします。
※商品・サービスの売り込みや勧誘などを目的とした方のご参加はご遠慮いただいております。

プログラム

14:30 開場

15:00 古谷聡美氏講演
   『”自己満足”で終わらせない!
    Employer brandingの視点で考える、
    これからのダイバーシティ推進』
    ・Employer brandingとは?
    ・Employer brandの海外事例
    ・Employer brandを行うための6つのステップ 他

16:00 質疑応答

16:30 参加者交流会

17:00 終了

※プログラム内容は一部変更になることがあります。


登壇者紹介

 <スピーカー>
  株式会社Clarity
  古谷聡美代表取締役CEO

古谷聡美様

 2010年成城大学卒業後、外資系BPOコンサルティング会社にてコンサルタント、社長秘書を兼任。その後ビーコン・コミュニケーションズ株式会社に入社し、P&GやPhillip Morris等のグローバルブランドを担当。2016年からフリーランスとして様々なスタートアップに参画しながら、2018年1月に株式会社Clarityを設立。

※Clarity:結婚、出産、育児と、変化していくライフステージを通して女性が働き続けられる社会を目指す、働き方で企業を探せるポータルサイト。

 

 <モデレーター>
  一般社団法人彩志義塾
  古川裕倫代表理事

 早稲田大学商学部卒業。1977年三井物産入社(エネルギー本部、情報産業本部、業務本部投資総括室)。その間、ロサンゼルス、ニューヨークで通算10年間勤務。2000年 株式会社ホリプロ入社、取締役執行役員を経て、2007年 株式会社リンクステーション副社長に就任。2013年、「先人・先輩の教えを後世に順送りする」ことを信条に、一般社団法人彩志義塾を設立。女性幹部育成のための「立志塾」主催を始め、ダイバーシティ推進を軸とした組織活性化、日本の未来を担う人材の育成に注力している。著書に、『一生働く覚悟を決めた女性たちへ』(扶桑社新書)、『女性を活用できる上司になる』(扶桑社)、『コーチング以前の上司の常識「教え方」の教科書』(すばる舎)など多数。


開催概要

○日時   2019年2月26日(火)15:00~17:00(14:30開場)

○場所   東京都港区南青山2-2-15 ウィン青山 2階E
      googleマップで見る

○最寄駅  地下鉄「青山一丁目」駅 5番出口より徒歩1分

○参加費  「立志塾」参加企業様 無料
      その他一般の企業様 5,000円/人

○定員   20名(1社2名まで)
      ※定員になり次第、〆切とさせていただきます。

○参加対象 女性活躍推進ご担当者様、人事・経営者の方

○お持もの お名刺、筆記用具

○主催   一般社団法人彩志義塾


お申込み

「立志塾」参加企業様
一般の企業様(銀行振り込み)
一般の企業様(クレジットカード決済)
※〆切:2月19日(火)23:59まで
※お申込み後のキャンセル・返金は対応いたしかねますので、予めご了承ください。

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古川裕倫の「いろどり徒然草」1月号

竜馬に学ぶビジネスの要諦(第7回)
~成長するための気づきと学び その1~

高い志を持った大きな器の人間がしっかり行動する――。これまでの6回の連載で取り上げた「志」「人間力」「行動力」の3要素がそろっていれば、ずいぶん魅力的な人間になるに違いない。竜馬はそんな人物だったと言えるだろう。

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竜馬に学ぶビジネスの要諦(第7回)
ー成長するための気づきと学び その1-
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●「気づき」を行動へ移すことで人間は伸びる

藩の殿様にお目通りのかなわぬ下級藩士であった竜馬は、幕臣勝海舟、薩摩藩西郷隆盛、長州藩桂小五郎、福井藩主松平春嶽らの要人に認められた。また土佐、江戸、京都、長崎など活躍したほとんどの土地で女性をも魅了した。京都近江屋で暗殺されて140年以上経った今でも、竜馬は小説やドラマ・映画の中でヒーローとして描かれ、私たちのずっと後の世代でも語り続けられるであろう。

そんな竜馬も神童だったわけではない。最初から国を動かすような立派なリーダーだったわけでもない。普通に生まれた人間がだんだん進歩し、成長していったのだ。

古今東西の優秀な企業トップにも、新入社員や駆け出しの時代があり、後に実力を伸ばし経験や知識などを蓄積してきた。部下を初めて持った若き日は、言うまでもなく、だれもが新米リーダーである。そこから器の大きなリーダーに成長するか、しないかの違いが生じる。

優秀だと言われる人は、自分を磨き高める必要性を人生のある時点で自覚する。それを私は「気づき」と呼んでいる。そして、「気づき」を行動へと移すことによって、車のギアをトップに入れたような状態になり、グンと成長し始めるのである。それはなだらかな右肩上がりの曲線ではなく、急激な上向きのカーブで伸びていくのだ。

「竜馬は子供のころ勉強嫌いだった」

司馬遼太郎さんは『竜馬がゆく』(文春文庫)の中で、竜馬の幼少時について、意外にも次のように書いている。

「城下でも阿呆あつかいでした(五巻367頁)」

竜馬は幼いころから勉強が不得意だったのだ。教育者に採点され、侮辱され、劣等感を植えつけられたと竜馬は思っていた。

ただ、人の話を聞いて柔軟に受け入れることができた。後年、勝海舟との出会いで海外事情の説明に大いに感化を受け、それをすぐに受け入れたのもそうした資質に恵まれていたからだ。好奇心が強かったのだろう。

不得手な学問のことはさておき、竜馬は剣術には長(た)けていて、江戸の千葉道場で修行し北辰一刀流の免許皆伝の腕前となった。そんな名誉を掲げて土佐に戻った竜馬に、兄権平は地元で道場を開いて落ち着くことを勧めた。

ところが、竜馬はそんな兄に対して自分の胸の内をこう語り、説得を試みている。

「わしや、学問をしようと思うちょるんでおじゃりますわい」
「が、がくもん?」これには、権平も爆笑した。
「学問は必要じゃとわかった。古今の書を読み、かつ西洋の書も読みたい。読んで、わしがこの手で、こんな腐った天下をなんとか動かしてくれようと思ちょります」
「天下を?この法螺坊主め」(二巻164頁)


【お知らせ】

女性幹部養成プログラム「立志塾」2月度無料見学会
一流ロールモデルと考える「自分らしいキャリア」と「マネジメント」

2019年4月の第11期立志塾開講にあたり、午後の部を無料でご見学いただけます。

[日時] 2019年2月9日(土)13:00 ~ 17:00(受付12:45~)
[会場] ウィン青山2階E(「青山一丁目」駅5番出口より徒歩1分)
[主催] 一般社団法人彩志義塾
[内容] 1.課題図書から考える、「働く」ということ
       「経営哲学」
     2. エキスパートから学ぶ、組織運営の基礎知識
       「役員・取締役・取締役会」
     3. 会社役員・ロールモデルとの意見交換
       株式会社日立ソリューションズ 常務執行役員
       富永由加里氏

 ▼ご見学お申込み
  https://saishi.or.jp/201901152305.html
 
▼「立志塾」受講者の声
  https://saishi.or.jp/risshijuku-voice.html

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※第11期(2019年4月開講)立志塾の申込み受付を開始しました。
  
 ▼第11期の詳細・お申し込はコチラ
  https://saishi.or.jp/apply.html
    (〆切:2月28日(木)まで)

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2月度「立志塾」無料見学会

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   一流ロールモデルと考える「自分らしいキャリア」と「マネジメント」
   女性幹部養成プログラム「立志塾」 無料見学会

  <日時> 2019年2月9日(土) 13:00 ~ 17:00(受付12:45~)
  <会場> ウィン青山2階E(「青山一丁目」駅5番出口より徒歩1分)
  <主催> 一般社団法人彩志義塾
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一人ひとりに、出会いと、学びと、志を。


これは、とある名言の一節(※)。冒頭は、「心」から始まります。

「立志塾」では、講師と受講生が互いに「心」を語り合い、「心」と「心」のギャップを埋めていきます。そして時に「心」は、「志」とも呼ばれます。

心に届くオープンセミナー「立志塾」を、是非1度ご体感ください。


プログラム

    12:45~13:00 受付
    13:00~14:00 課題図書から考える、「働く」ということ
             ―「経営哲学」
    14:00~15:20 エキスパートから学ぶ、組織運営の基礎知識
             ―「役員・取締役・取締役会」
    15:30~17:00 会社役員・ロールモデルとの意見交換 
             ―株式会社日立ソリューションズ 常務執行役員 
              富永由加里氏
              

    ※プログラムは一部変更になる場合がございます。


講師

<塾長> 
 古川裕倫(一般社団法人彩志義塾 代表理事)

早稲田大学商学部卒業。1977年三井物産入社(エネルギー本部、情報産業本部、業務本部投資総括室)。その間、ロサンゼルス、ニューヨークで通算10年間勤務。2000年 株式会社ホリプロ入社、取締役執行役員を経て、2007年 株式会社リンクステーション副社長に就任。2013年、「先人・先輩の教えを後世に順送りする」ことを信条に、一般社団法人彩志義塾を設立。女性幹部育成のための「立志塾」主催を始め、ダイバーシティ推進を軸とした組織活性化、日本の未来を担う人材の育成に注力している。著書に、『一生働く覚悟を決めた女性たちへ』(扶桑社新書)、『女性を活用できる上司になる』(扶桑社)、『コーチング以前の上司の常識「教え方」の教科書』(すばる舎)など多数。

<ゲスト役員>
 富永由加里氏(株式会社日立ソリューションズ 常務執行役員) 


開催概要

    ○日時   2019年2月9日(土)13:00~17:00(受付12:45~)

    ○場所   東京都港区南青山2-2-15 ウィン青山2階E
          googleマップで見る

    ○最寄駅  地下鉄「青山一丁目」駅 5番出口より徒歩1分

    ○参加費  無料
          
    ○定員   5名(1社2名まで)
          ※定員になり次第、〆切とさせていただきます。

    ○参加対象 女性活躍推進ご担当者様、人事・経営者の方

    ○お持もの お名刺、筆記用具

    ○主催   一般社団法人彩志義塾


お申込み


セミナーイメージ

※原典は「ヒンズー教」の教えなど、諸説あり

>>「立志塾」を詳しく知る

古川裕倫の「いろどり徒然草」12月号

竜馬に学ぶビジネスの要諦(第6回)

こんにちは、古川裕倫です。

2018年、立志塾は第10期を迎えました。そんな節目の折、昨年の立志塾初の執行役員誕生に続き、今年も卒業生からたくさんの朗報が届きました。

つい先日も、流通系企業の女性から部長昇進の一報が。立志塾での学びを糧に、各方面でさらなる奮闘・活躍をとげる女性たちの姿には、私自身も大いに勇気づけられ、また本当に嬉しい限りです。

来年5月には新元号になりますが、立志塾メンバーにはより一層、爽やかに、たくましく、新しい時代を切り開いていっていただければと願います。今年も素晴らしい1年をありがとうございました。

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竜馬に学ぶビジネスの要諦(第6回)
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●桂小五郎は吉田松陰から行動力を学んだ

話を再び薩長同盟に戻そう。長州の代表を務めた桂小五郎は、17歳のときに故郷の山口県萩で3歳年上の吉田松陰を知った。

松陰は「実行する」ことについて、こう言っている。

「学問も大事だが、知ってかつ実行するのが男子の道である。詩もおもしろいが、書斎で詩を作っているだけではつまらない。男子たる者は、自分の人生を一編の詩にすることが大事だ。楠木政成は一行の詩も作らなかったが、かれの人生はそのまま比類のない大詩編ではないか」

1853年(嘉永6年)、アメリカの黒船4隻が浦賀に来航、ペリーは翌年に再び来航した。松陰は、艦隊が下田に停泊しているときに、これを見に行った。もともとは尊皇攘夷思想であったが、列強の力を理解し、外国に興味を持っていた。

松陰は、夜密かに黒船に向かって小舟を漕ぎだした。そして、沖に停泊する黒船に近づき、アメリカに連れて行ってほしいと交渉した。鎖国政策をとり、外国に行くのは国禁だった時代である。言葉も通じない。結局は、中国出身の乗組員と漢文でやりとりをしたという。

ペリー側の記録にも、松陰は、命を顧みず、国法を破ってまで知識を広めようとした教育ある日本人として記されている。しかし、法を破ることに対して協力はできないとペリー側は拒否した。

この試みが発覚した松陰は捕らわれの身となり、投獄されてしまう。

なんという行動力であろうか。私は、松陰の桁外れの行動力に感心するばかりである。行動力を語る際に、彼以上の人物は思いつかな
い。

私は、自分が行動せずウジウジしていると感じるとき、松陰の黒船行きを思い出すよう心がけている。生意気ながら、松陰に少しでも近づきたいと思っているのだ。

松陰は、1859年(安政6年)、安政の大獄が始まった翌年に処刑されてしまうが、それまでは故郷・長州萩の松下村塾で数々の志士に講義をした。桂小五郎、高杉晋作、久坂玄瑞、伊藤博文、山縣有朋などはいずれも門下生である。

松陰が教えたのは行動することだ。知っていても行動しないのであれば、知っていることにならない。本当に知るということは、必ず実行を伴うものである。これを「知行合一(ちこうごういつ)」と言う。

●竜馬は様々な才能を併せ持っていた

竜馬は、高い志を抱き、人間力と行動力を持って、一事を成した。後世の人々が惚れるはずである。当時の女性に大いにモテたはずだし、今の女性にもモテル。

竜馬は、学ぶこと、人を育てること、部下のモチベーションを上げること、人とうまくコミュニケーションすることなど、様々な才能を併せ持っていた。

今回は竜馬の行動力を説明するのに長編小説『坂の上の雲』の文章まで引用した。司馬遼太郎作品には絶好の引用例が山ほどあり、ビジネスパーソンにとって非常に大切なことが大変わかりやすく書かれている。仕事に対する考え方やビジネススキルを読み取りながら、痛快な司馬小説をエンジョイしていただきたい。

次回のテーマは、竜馬の「気づきと学び」について。


 
【お知らせ】

女性幹部養成プログラム「立志塾」1月度無料見学会
一流ロールモデルと考える「自分らしいキャリア」と「マネジメント」

[日時] 2018年1月12日(土)13:00 ~ 17:00(受付12:45~)
[会場] ウィン青山2階E(「青山一丁目」駅5番出口より徒歩1分)
[主催] 一般社団法人彩志義塾
[内容] 1.課題図書から考える、「働く」ということ
       「リーダーシップ」
     2. エキスパートから学ぶ、組織運営の基礎知識
       「投資・M&A」
     3. 会社役員・ロールモデルとの意見交換
       株式会社バンダイ 執行役員
       村瀬和絵氏

 ▼ご見学お申込み
  https://saishi.or.jp/201811262301.html
 
▼「立志塾」受講者の声
  https://saishi.or.jp/risshijuku-voice.html

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※第11期(2019年4月開講)立志塾の申込み受付を1月14日に開始します。
  
 ▼第11期の詳細・お申し込はコチラ
  https://saishi.or.jp/apply.html
    (〆切:2月28日(木)まで)

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